R5年 大規模大気特論 問6 問題と解説

 問 題     

大気汚染物質の排出と、環境濃度予測に関わる手法に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. 工業地区の主要煙突から排出されるSO2の、周辺地域における年平均濃度分布予測は、一般に正規形プルーム・パフモデルによる。
  2. 郊外の平坦地域を通過する主要バイパス道路による粉じんの影響予測に、指数近似モデルを利用する。
  3. 工場建屋の高さに近い排気ダクトなどから排出される有害大気汚染物質の、敷地境界や近傍における濃度計算に、ダウンウォッシュ算定機能があるISCなどを利用する。
  4. 光化学大気汚染の、日々の気象条件により発生する最高濃度レベルの算定には、数値解モデルを用いる。
  5. ビルの多い市街地や複雑地形中に排出される煙の濃度分布予測では、風洞模型実験の実施が有効である。

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説    

本問は過去の出題傾向とは異なった趣きで、難易度の高い出題といえます。そのため、個人的にはこの問題は捨て問題扱いにしてしまっても構わないと思います。参考までに以下に解説を示しますが、軽い気持ちで読み流してください。

(1)は正しいです。特殊な汚染物質や複雑な地形ではなく、平坦な地域で一般的な汚染物質の年平均値を予測するときは、正規形プルーム・パフモデルがよく用いられます。

(2)が誤りです。郊外の平坦地域を通過する主要バイパス道路による粉じんの影響予測には、HIWAYモデルやCALINEモデルなどが用いられます。これらのモデルは、「指数近似モデル」ではなく「正規形の線源式」や「正規形プルーム式」を利用しています。

(3)は正しいです。ISCモデルは工業発生源を対象とした拡散モデルであり、建屋によって生じる大気の乱れによる拡散濃度を予測します。

(4)も正しいです。光化学大気汚染の最高濃度レベルの算定には、格子モデルや流跡線モデルが用いられますが、このどちらも数値解モデルに属します。

(5)も正しいです。ビルの多い市街地や複雑地形では、計算が複雑になったり、計算結果と実態が合わなかったりします。そのような場合には、風洞模型実験を実施して煙の濃度分布を予測するのが有効です。

以上から、正解は(2)となります。

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