R5年 大規模大気特論 問4 問題と解説

 問 題     

有効煙突高さHeの排出源から風下方向の距離xに応じた煙の拡散濃度を与える正規形プルーム式において、プルーム中心軸の濃度として、正しいものはどれか。

ただし、横風方向と鉛直方向の拡散幅をそれぞれσy=Axp、σz=Bxpで表せると仮定し、地表面での煙の反射はないものとする。なお、Qは単位時間排出量、uは風速である。

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説    

正規形プルーム拡散式は以下の式で表すことができます。この式は重要(頻出)なので、可能であれば記憶しておくと便利です。

  • C:煙流中心軸直下の地上濃度 [ppm]
  • Q:汚染物質排出量 [m3/s]
  • u:風速 [m/s]
  • σy:水平拡散幅 [m]
  • σz:鉛直拡散幅 [m]
  • x:煙突から風下方向の距離 [m]
  • y:xと直角水平方向の距離 [m]
  • z:地面から鉛直上方の距離 [m]
  • He:有効煙突高さ [m]

今回は、「プルーム中心軸の濃度」を表す式が問われているため、上式においてy=0かつz=Heとなります。よって、上式の1つ目と2つ目のexpの中身が0となり、さらに問題文より地表面での煙の反射もないため、この式はだいぶ簡略化できます。

また、正規形プルーム式を使う類題では多くの場合、最終的に濃度の値をppm(百万分率)の形で答えます。そのため、上式の最後に「×106」を加えていますが、今回はそのような指定もないため、「×106」の部分は気にしなくて大丈夫です。

よって、上式に対して問題文で与えられているσy=Axp、σz=Bxpという条件を当てはめると、次のように表すことができます。

以上から、正解は(5)となります。

コメント