R5年 大規模水質特論 問2 問題と解説

 問 題     

沿岸海域に生態系モデルを適用して、水質濃度や生物(特に低次栄養段階の植物プランクトンや動物プランクトン)の現存量について解析する手段に関する記述として、不適切なものはどれか。

  1. 工場・事業場からの栄養塩やCODの負荷量はL-Q式(L=aQb)を用いて推定する。
  2. 生態系を構成する状態変数の時間変化は生物・化学過程を含んだ拡散方程式を使って解析する。
  3. 拡散方程式において物理的な輸送については、流体力学計算によって得られた結果を使う。
  4. 海底堆積物からの栄養塩類の負荷量は、局所的な観測データをモデルの格子点に内挿等を行って求めることができる。
  5. 生態系モデルにおける有機物の状態変数の計算結果を使ってCODの時間変化や空間分布を推定することができる。

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説    

(1)に関して、L-Q曲線とは、河川からの流入負荷量Lと河川流量Qとの関係を示す曲線のことです。一般的に、河川から供給されるCODや栄養塩の負荷は、L-Q曲線を用いて推定されます。その近似式をL-Q式といい、以下のようなグラフで表すことができます。

よって、(1)の「工場・事業場」が誤りで、正しくは「河川」となります。

L-Q曲線は頻出かつ重要事項として押さえておくべき内容です。そのため、本問では他の選択肢に書かれている内容の真偽が判断できなかったとしても、しっかり正解の選択肢を選びたいところです。

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