問 題
水質汚濁機構に関する記述として、誤っているものはどれか。
- 河川水質を4つのカテゴリーに分けた水質階級で、きれいな水は貧腐水性と呼ばれ、この水域に生息する生物にサカマキガイがいる。
- 生物化学的酸素要求量(BOD)で示される有機汚濁物質は、一般的に生物化学的な分解を受ける。
- 湖沼や内湾に流入した窒素やりんは、湖水・海水と堆積物の間で循環することから、いったん富栄養化した水質を改善することは容易ではない。
- カドミウムや鉛などの重金属は、水域に排出後、酸化作用や還元作用などを受けてその形態が変化することはあっても、分解されることなく元素として消滅しない。
- カドミウムや鉛などの重金属は、懸濁(けんだく)態となって水系から底質系へ移動し、底生生物やそれを餌とする生物に蓄積される。
正解 (1)
解 説
(1)の「サカマキガイ」が誤りで、サカマキガイは強腐水性の水域に生息する代表的な生物です。
(1)に関して、河川水質は次の4つの水質階級(Ⅰ~Ⅳ)に分類できます(きれいな水から汚い水の順に並べています)。
- 貧腐水性(きれいな水)
- β-中腐水性
- α-中腐水性
- 強腐水性
本問のように、各階級の水域に生息する生物を問われることも多いので、以下に示す代表的な生物の名前も覚えておく必要があります。なお、この際にはα-中腐水性とβ-中腐水性は区別しなくても大丈夫だと思います。
- 貧腐水性(きれいな水):サワガニ、ウズムシ類、カワゲラ類、ヒラタカゲロウ類
- 中腐水性:ヒル類、ミズムシ、サホコカゲロウ、ヒラタドロムシ
- 強腐水性:イトミミズ類、サカマキガイ、セスジユスリカ
以上から、(1)の「サカマキガイ」が誤りで、これを「サワガニ」などにすれば正しい文章となります。よって、正解は(1)です。
類題として、R1年 水質概論 問9やH28年 水質概論 問8のような出題があるので、併せて確認しておいてください。
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