問 題
排水の検定で用いられる流れ分析法に関する記述として、誤っているものはどれか。
- 水試料、試薬を細管中に流し、反応操作などを行った後、検出部で分析成分を検出して定量する方法である。
- 手分析に比べて測定における省力化が図れ、試薬などの使用量が少ないなどの利点がある。
- フローインジェクション分析(FIA)法と連続流れ分析(CFA)法に大別される。
- CFA法では、細管内の流れが渦流(乱流)となり、試料や試薬がよく混合される。
- CFA法は、細管内の試薬又は試料の流れの中に精製水を導入して分節する。
正解 (5)
解 説
流れ分析法は全窒素や全りんの測定として用いられ、これはフローインジェクション分析(FIA)法と連続流れ分析(CFA)法に大別されます。いずれも水試料、試薬を細管中に流し、反応操作などを行った後、検出部で分析成分を検出して定量する方法です。
このうち特に出題されやすいのはCFA法のほうなので、その内容を理解しておく必要があります。
CFA法は、細管内の試料または試薬の流れの中に気体を導入して分節します。分節を行う主な理由は、管の中の流れが乱流となり、試料や試薬がよく混合されるからです。そのイメージ図を下図に示します。
左側から試薬が入り、少し後段で気体が注入され、その後に試料が追加されます(試薬と試料は逆でも構いません)。もしここで気体を入れないとすると、試薬の流れに試料が注入されますが、それだけでは試薬と試料が十分に混合されません。
そこで、空気の玉を入れることで、試薬の流れを連続ではなく断続的に変え(このことを「分節」といいます)、それによって、分節された狭い空間で試薬と試料が十分に混ざり合うという工夫がなされています。
以上を踏まえて選択肢を見ていきます。
(1)~(3)は流れ分析法の特徴が書かれていて、いずれも正しいです。
(4)も上図の通りで、CFA法の特徴が正しく書かれています。
(5)に関して、CFA法において分節のために使われるのは「精製水」ではなく「気体」です。そもそも、流れている試薬や試料が液体なので、精製水を導入しても混ざってしまい、分節することができません。
よって、(5)が誤りなので、これが正解となります。
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