R4年 汚水処理特論 問21 問題と解説

 問 題     

ICP発光分光分析装置に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. 高温の誘導結合プラズマの中に試料を噴霧し、励起された原子から発する個々の波長の発光強度を測定して、試料中の分析対象元素の濃度を求める方法である。
  2. 励起源部は、プラズマを生成・維持するための部分で、電気エネルギーを供給・制御する電源回路及び制御回路からなる。
  3. 試料導入部は、試料を発光部に導入するための部分で、ネブライザー、スプレーチャンバーが含まれる。
  4. 発光部は、試料中の分析対象元素を励起・発光させるためのもので、トーチとタングステンランプとで構成される。
  5. 分光測光部は、発光部から放射された光を効率よく分光部に導く集光系、スペクトル線を分離する分光部及び検出器で構成される。

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説    

ICP発光分光分析法は、誘導コイルに高周波電流を流すことで発生する電磁誘導によって生成する高温の誘導結合プラズマの中に試料を噴霧し、励起された原子の発光強度を測定して、試料中の分析対象元素の濃度を測定する方法です。

(1)は上記の通り、正しい記述です。発光分光分析法なので、「発光強度」を測定します。ここを「吸光度」に変えて誤りの選択肢として出題されることもあるので、注意してください。

(2)と(5)は両方とも記述の通りですが、これらの選択肢はあまり重要なことが書かれていません。実際の試験で出題された際には、文章全体に特に矛盾点がないのでおそらく正しい内容だろう…程度に考えられれば十分だと思います。

(3)で、ネブライザーは、試料とキャリアーガス(アルゴン)を混合して霧状にして噴霧するところです。ここからスプレーチャンバーに向けて噴霧し、スプレーチャンバーで大きな粒径の液滴を除き、微細な液滴をトーチ(発光部)に導入します。よって、(3)は正しいです。

(4)で、ICP発光分光分析法では、プラズマを発生させるためにトーチと誘導コイルを使います。よって、(4)の前半は正しいですが、後半の「タングステンランプ」が誤りで、正しくは「誘導コイル」となります。

そもそも、文中に「試料中の分析対象元素を励起・発光させる」とある通り、プラズマはそれ自身が発光しているので、光源となるランプは必要ありません。光源(ランプ)が必要となるのは、発光分析法ではなく吸光分析法のときです。

以上から、正解は(4)となります。

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