R4年 汚水処理特論 問12 問題と解説

 問 題     

各種活性汚泥法に関する記述として、最も不適切なものはどれか。

  1. ステップエアレーション法は、流入負荷に応じ曝気量を変え運転する省エネ型の運転方法である。
  2. オキシデーションディッチ法は、曝気槽が環状で浅く、汚泥混合液は回転ブラシなどの機械曝気装置により曝気と流動が同時に行われ、常に槽内を循環している。
  3. 回分式活性汚泥法は、単一の槽で反応槽と沈殿槽の機能をもたせ、排水の流入、反応、沈殿、処理水の排出を1サイクルとして繰り返し処理を行う方法である。
  4. 酸素活性汚泥法は、通常の空気の代わりに酸素を使用する方法で、酸素分圧が空気に比べ高いことから酸素移動速度を大きくできる。
  5. ポンプ循環式深層曝気法は、水深を10~15mと深くし、ポンプ循環式曝気装置などと組み合わせ、汚泥濃度を高めて運転する方法である。

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説    

各種の活性汚泥法に関する問題は数年おきに出題されていますが、R1年 問14H29年 問12のように、出題されるたびに異なるアプローチの設問となるため、なかなか対策が難しい出題テーマです。

本問の各選択肢には各種活性汚泥法の特徴が端的にまとめられていますが、これもまた、近年に類題が見られない設問です。そのため、この問題は捨て問題にしてしまっても仕方ないと思います。

一応正解を示しておくと、(1)のステップエアレーション法の説明文が誤っています。

ステップエアレーション法の特徴は、前段から流れてくる水を曝気槽の一端(上流側)から導入するのではなく、曝気槽のあちこち(複数箇所)から導入することです。これにより、曝気槽内の水質(負荷)を均一にすることができ、反応槽の容量を小さくしたり汚泥滞留時間を短くしたりすることができます。

よって、(1)にあるような「流入負荷に応じ曝気量を変え運転する」という特徴は有していないため、(1)の文章が誤りとなります。

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