R4年 大規模大気特論 問10 問題と解説

 問 題     

セメント産業の大気汚染防止対策に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. セメント製造工程内には発じん対策は不要である。
  2. 電気集じん装置における集じん効率は、セメント原料ダストの電気抵抗率とは無関係である。
  3. 排煙脱硝プロセスを導入している工場では、一般的に乾式の触媒還元法が用いられている。
  4. セメントキルン排ガス中のNOxを抑制するため、燃焼管理が行われている。
  5. ダイオキシン発生の原因となる廃プラスチックを、セメントの熱エネルギー源として使用してはならない。

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説    

(1)は誤りです。セメントの原料は石灰石類などです。これらを粉砕して使うので、相当な粉じんが発生します。よって、粉じん対策としてバグフィルターは必須だといえます。

なお、セメント製造工程のひとつである焼成工程は、それ自身が高い脱硫性能を有しています。そのため、通常はセメント工場では排煙脱硫装置が必要ありません。よって、(1)の「発じん対策」を「脱硫」に変えると正しい文章となります。

(2)も誤りです。電気集じん装置というくらいなので、ダストの電気抵抗率は集じんのしやすさに大きな影響を与えます。

(3)も誤りです。排煙脱硝プロセスを導入している工場では、一般的に「アンモニア注入による無触媒脱硝法」が用いられています。ただし、セメントの脱硝はマイナーなテーマなので、これは知らなくても仕方ないかもしれません。

(4)が正しいです。(3)に「排煙脱硝プロセスを導入している工場では」と書かれている通り、排煙脱硝プロセスを導入していない工場も多くあります。この理由は、セメント製造工程でのNOx対策は、脱硝よりもむしろ燃焼管理のほうに重きを置いているためです。

燃焼管理によるNOx対策とは、具体的には以下のようなものがあります。正確に覚える必要はないと思うので、イメージとして掴んでもらえれば十分です。

  • 低空気比燃焼
  • 二段燃焼
  • 低NOxバーナーの使用

(5)は誤りです。廃プラスチックがダイオキシン発生の原因となるのは、これを300~500℃程度の比較的低温で燃やした場合です。800℃以上の高温で燃やす場合には、ダイオキシンはほとんど発生しません(発生してもすぐ分解されます)。

セメント製造では1000℃以上の温度で熱するため、ダイオキシンが問題になることはほとんどありません。よって、廃プラスチックもセメントの原料にすることができます。

以上から、正解は(4)です。

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