R4年 大規模水質特論 問10 問題と解説

 問 題     

製紙工場から発生する排水の一般的な処理に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. 処理の対象となる主な水質汚濁物質は、BODあるいはCOD成分とSSであるが、それらに加えて六価クロム、鉛の処理工程も加えた。
  2. BOD及びSSの処理工程として二段処理とし、1段目の活性汚泥処理でBOD成分を、2段目の凝集沈殿処理でSSを除去するものとした。
  3. 生物処理工程において、初沈槽を出た排水は、夏期の水温が高い時期は冷却塔を通して水温を下げてから調整槽に送り、そこで排水と返送汚泥を混合させると同時に、栄養源である窒素とりんも添加した。
  4. 凝集沈殿処理装置では、凝集剤として硫酸ばん土と陰イオン系高分子凝集剤を用いた。
  5. 発生するスラッジは高分子凝集剤を添加した後、ベルトプレス脱水機で脱水し、ろ水は全量を排水処理工程の入口に戻して再処理を行った。

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説    

(1)に関して、製紙工場から生じる水質汚濁物質といえば、(1)の前半にある通り、BOD、COD、SSの3つです。一方で、製紙工場では全工程を通して重金属類は使用されないため、六価クロムや鉛が問題になることはありません。よって、これらの処理工程は不要です。

以上から、(1)の後半の文章が余計(誤り)なので、正解は(1)となります。

この問題では、選択肢(2)や(4)の内容もときどき出題されるので、併せて確認しておいてください。

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