問 題
JISの化学発光方式NOx自動計測器において、NOの濃度が実際よりも高く測定される可能性がある場合はどれか。
- CO2の共存
- 除湿器におけるNOxの溶解損失
- コンバーターのNO2-NO変換効率の低下
- コンバーターのアンモニア変換効率の上昇
- オゾン発生器の性能低下
解 説
(1)で、化学発光方式では、共存するCO2はクエンチング現象により、測定値に対し負の誤差を与えます。よって、この条件ではNOの濃度が実際よりも低く測定されることになります。
(2)で、除湿器ではガス中に含まれる水分をドレンとして除去します。この際に水分に溶解しているNOxはドレンとして一緒に除去されるので、ガスに含まれていたNOxが少し減ることになります。よって、これもNOの濃度が実際よりも低く測定される原因となります。
(3)で、化学発光方式では、「不安定な励起状態にあるNO2*」が「安定な基底状態のNO2」に移る際に発する光を測定します。そして、その励起状態のNO2*はNOとO3(オゾン)との反応によって生成します。
よって、NO2から直接NO2*を作ることはできないので、この反応の前処理としてNO2をNOに還元しておく必要があります。これがコンバーターの役割です。
(3)のようにコンバーターのNO2-NO変換効率が低下すると、その分生成するNOが少なくなってしまうので、これもNOの濃度が実際よりも低く測定される原因となります。
(4)で、コンバータは(3)の解説の通り、NO2をNOに変換することを目的としています。しかし、コンバータの温度は高いので、アンモニア(NH3)が存在すると空気中の酸素と反応してNOが生成します。
よって、この場合は本来カウントされない分のNOを測定することになるため、実際よりも高く測定される可能性があります。
(5)で、(3)の解説の通り、励起状態のNO2*はNOとO3(オゾン)との反応によって生成します。オゾン発生器の性能低下によってNO2*が生成されにくくなると、最終的にNOの濃度が実際よりも低く測定されることになります。
以上から、正解は(4)です。
コメント
NO2のあとに『*』が付いてますが文字化けでしょうか?
励起状態を表しています。