問 題
排煙脱硫に用いる石灰スラリー吸収法のうち、吸収塔酸化方式の特徴として、誤っているものはどれか。
- 冷却除じん塔が不要である。
- 反応槽への硫酸の添加が必要である。
- 大気圧に近い条件下で、吸収液中に空気気泡を幅広く分散させる。
- 石灰石過剰率を低く抑えたままで高い脱硫率が得られる。
- 別置き酸化方式と比べて、電力費を低減できる。
正解 (2)
解 説
石灰スラリー吸収法には「別置き酸化方式」と「吸収塔酸化方式」がありますが、最近は吸収塔酸化方式が多く使われる傾向にあります。それは、吸収塔酸化方式には以下の3つのメリットがあることが主な理由です。
- 使用電力量が少なくて済む(省エネ)
- 石灰石の使用量が少なくて済む
- 硫酸の添加が不要
2番目と3番目は直接関連があるのですが、この方式ではSO2が酸化されて硫酸になったあと、それを石灰石と効率的に反応させることができるので、残留石灰石があまり出ません。つまり、石灰石の使用量が少なくて済みます。さらに、残留石灰石があまり出ないので、これを分解するために硫酸を添加するという工程が必要なくなります。
よって、(2)の記述が誤りで、吸収塔酸化方式では硫酸の添加を行いません。
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