R3年 公害総論 問13 問題と解説

　問 題　　　　　

産業廃棄物に関する記述として、誤っているものはどれか(環境省調べによる)。

1. 我が国の産業廃棄物の総排出量は、約4億t前後で推移している。
2. 2017年度の業種別排出量では、電気・ガス・熱供給・水道業が最も多い。
3. 2017年度の種類別排出量では、汚泥が最も多く、次いで動物のふん尿、がれき類である。
4. 2017年度の総排出量のうち、中間処理されたものは全体の約50％、直接再生利用されたものは全体の約10％である。
5. 2017年度において再生利用率が高いものは、がれき類、動物のふん尿、金属くず、鉱さいなどである。

 

 

 

 

 

　解 説　　　　

本問は産業廃棄物に関する出題です。まず最初に産業廃棄物の用語の説明について知っておいてください。事業活動に伴って生じた廃棄物のうち、燃え殻、汚泥、廃油、廃酸、廃アルカリ、廃プラスチック類など20種類と輸入された廃棄物を産業廃棄物といいます。

以下、それぞれの選択肢について検証していきます。

(1)は正しい記述です。年によって多少の前後はありますが、産業廃棄物の総排出量は例年、4億t程度となっています。ここ10年以上同じような数字が並び、増えも減りもしない状況です。

(2)も正しい記述です。産業廃棄物の排出量が最も多い業種は「電気・ガス・熱供給・水道業」です。次いで「建設業」、その次が「農業・林業」となりますが、2位と3位は僅差なので年によって入れ替わることがあります。1位は動かないので安心して知識として覚えてください。

(3)も正しい記述です。産業廃棄物の排出量を種類別に見ると、1位が「汚泥」、2位は「動物のふん尿」、3位は「がれき類」です。その割合は変動しますが、順位は大体この並び順で固定しています。

(4)の文章が誤っています。産業廃棄物の処理は、「中間処理」が約80%、「直接再生利用」が約20%、「直接最終処分」が約1%です。これも頻出事項なので、例年の傾向として覚えておいてください。

よって、(4)の「約50％」と「約10％」が誤りで、正しくはそれぞれ「約80%」、「約20%」となります。

(5)は正しい記述です。再生利用率が高いものは、がれき類、動物のふん尿、金属くず、鉱さいなどです。一方で再生利用率が低いものは、汚泥、廃アルカリ、廃酸などです。

以上から、正解は(4)となります。

念のため、試験前に最新の情報を環境省の産業廃棄物の排出及び処理状況等で確認しておくことをお勧めします。