R3年 大規模水質特論 問1 問題と解説

 問 題     

エスチュアリーにおける流動のモデル計算に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. 海域の密度場は、水温と塩分から計算される。
  2. 流体は回転する粘性、非圧縮性流体として扱っている。
  3. 3次元的マルチレベルモデルでは、鉛直方向の速度成分は、水平方向の速度成分の結果から拡散方程式を用いて計算する。
  4. モデルの検証は、潮流楕円や水温、塩分等の観測結果との比較でなされる。
  5. 重力加速度やコリオリパラメータも考慮している。

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説    

問1からやや難易度の高い出題です。捨て問題とまでは言いませんが、大規模水質特論が苦手な受験者の方は、この問題は一旦後回しにしたほうがいいかもしれません。

エスチュアリーにおける流動のモデル計算では、その計算式がかなり複雑なものとなるため、式や各種のパラメータを暗記するのは現実的ではありません(興味がある方は調べてみてください)。

そこで、このモデル計算に関して過去に出題された記述を以下にまとめておきます。上に書かれているものほど出題頻度が高いので、上から順に覚えていくことをお勧めします。

  • 流体は回転する粘性、非圧縮性流体として扱っている。…選択肢(2)
  • モデルと観測結果の比較検証では、潮流楕円や水温、塩分等が使われる。…選択肢(4)
  • モデルに与える境界条件は、水位、密度、風速、日射量、湿度、気温、河川流量等がある。
  • 海域の密度場は、水温と塩分から計算される。…選択肢(1)
  • 重力加速度やコリオリのパラメータを考慮している。…選択肢(5)
  • 3次元的マルチレベルモデルでは、鉛直方向の速度成分は、水平方向の速度成分の結果から連続の方程式を用いて計算する。…選択肢(3)
  • 水柱を複数のレベルに分けて計算する3次元的マルチレベルモデルを用いる。
  • 3次元マルチレベルモデルでは、鉛直方向の運動については静水圧近似を用いている。

以上より、(3)の「拡散方程式」が誤りで、正しくは「連続の方程式」となります。

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