R3年 ばいじん・粉じん特論 問2 問題と解説

 問 題     

2種類の粒子(A、B)からなるダストを、並列に配置した2基の集じん装置により集じんする。

入口ガス中のA粒子とB粒子のダスト濃度比(A:B)は2:1で、各集じん装置のA粒子、B粒子に対する集じん率は表の通りである。

いま、ガス流量Q(m3/h)を、集じん装置1へのガス流量Q1(m3/h)と集じん装置2へのガス流量Q2(m3/h)に分割したとき、出口ダスト濃度が最も低くなるガスの分配比(Q1:Q2)はどれか。

ただし、ダストはガスの分割に伴い、その比率に等しく分割されるものとする。

  1. 1:0
  2. 2:1
  3. 1:1
  4. 1:2
  5. 0:1

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説    

問題文で与えられた条件をまとめると、下図のように表すことができます。

まずは上図の集じん装置1側を見ていきます。ここに入るA粒子とB粒子のダスト濃度をそれぞれA1、B1とすると、A:B=2:1なので、B1=0.5A1と表されます。

また、集じん装置1を通過した際にそれぞれ95%、80%が除去されます。よって、残る粒子は上図右上のように、0.05A1と0.1A1で、合わせて0.15A1となります。

一方、集じん装置2側についても上図の通り、集じん装置1側と同様の計算を行います。すると、こちらの場合は最終的に残る粒子の合計が0.175A2になることがわかります。

よって、もともと存在するダストは、集じん装置1を通過すると15%に減り、集じん装置2を通過すると17.5%に減るということなので、集じん装置1を通過させるほうが出口ダスト濃度が低くなることがわかります。

本問の条件ではダストの量によって集じん率が変わることはないので、集じん装置1のほうが効率が良いのであれば、全てのガスを集じん装置1に通すことで、出口ダスト濃度を最も低くすることができます。

よって、ガスの分配比は、Q1:Q2=1:0とするべきなので、正解は(1)です。

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