問 題
ガス吸収に関する記述として、誤っているものはどれか。
- 酸素のように水に比較的溶けにくいガスでは、気相中の溶解ガスの分圧は、その液中濃度に比例する。
- 塩素の水への吸収は、塩化水素が選択的に生成する化学吸収である。
- 一酸化炭素の水への吸収は化学反応を伴わないので、物理吸収と呼ばれる。
- ふっ化水素の水酸化ナトリウム水溶液への吸収では、ガスの平衡分圧は0としてよい。
- 二酸化硫黄の亜硫酸ナトリウム水溶液への吸収では、液組成や温度などで決まる一定の分圧を示す。
正解 (2)
解 説
(2)と(3)に関して、ガス中の化学物質が水に溶けて吸収されるとき、化学反応を伴うのであれば化学吸収と呼び、物質が何も変化しないままの場合には物理吸収と呼びます。
(3)は、一酸化炭素(CO)がそのままの形で水に溶けるので、これは物理吸収です。よって、(3)は正しい記述です。
一方、塩素(Cl2)は水に溶ける際に化学変化を起こすので、こちらは化学吸収となります。このとき、塩素(Cl2)と水(H2O)との間で次のような化学反応が起こります。
よって、塩素の水への吸収は化学吸収に違いありませんが、その反応によって塩素(Cl2)は塩化水素(HCl)と次亜塩素酸(HClO)に変化します。そのため、(2)にあるように「塩化水素が選択的に生成する」とはいえません。
以上から、正解は(2)となります。
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