R2年 大気特論 問12 問題と解説

 問 題     

JISによる燃料の硫黄分析法において、分析対象と分析方法の組合せとして、誤っているものはどれか。

  •    (分析対象)        (分析方法)
  1. 天然ガス中の全硫黄    よう素滴定法
  2. 液化石油ガス中の硫黄分  酸水素炎燃焼-過塩素酸バリウム沈殿滴定法
  3. 灯油中の硫黄分      酸水素炎燃焼式ジメチルスルホナゾⅢ滴定法
  4. 重油中の硫黄分      燃焼管式空気法
  5. 石炭中の全硫黄      エシュカ法

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説    

排ガス中の硫黄分析は頻出テーマですが、今回は排ガスではなく燃料の硫黄分析が出題されています。出題頻度から見ても問われている内容から見ても、マイナーな知識が必要となるので、個人的にはこの問題は捨て問題扱いにしてしまっても構わないと思います。

とはいえ、稀に出題されることもあるので、各燃料の成分に対する代表的な分析方法を以下に示します。余裕があれば覚えておくといいかもしれません。なお、実際にはそれぞれ数種類ずつ分析方法がありますが、ここでは最も代表な一つを記載します。

【気体燃料(燃料ガス・天然ガス)】

  • 全硫黄  :過塩素酸バリウム沈殿滴定法
  • 硫化水素 :よう素滴定法
  • アンモニア:中和滴定法
  • ナフタレン:ガスクロマトグラフ法
  • 水分   :吸収ひょう量法

【液体燃料】

  • 自動車ガソリン・灯油・軽油中の硫黄:酸水素炎燃焼式ジメチルスルホナゾⅢ滴定法
  • 液化石油ガス中の硫黄       :酸水素炎燃焼-過塩素酸バリウム沈殿滴定法
  • 重油・原油中の硫黄        :燃焼管式空気法
  • 窒素               :マクロケルダール法

【固体燃料(石炭)】

  • 炭素及び水素:シェフィールド高温法
  • 硫黄    :エシュカ法
  • 窒素    :セミミクロケルダール法

以上から、選択肢(1)の「天然ガス中の全硫黄-よう素滴定法」という組合せが誤りです。

天然ガスの場合、全硫黄なら過塩素酸バリウム沈殿滴定法を使い、反対によう素滴定法なら硫化水素の分析に使われます。

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