問 題
りんの除去に関する記述として、誤っているものはどれか。
- 無機凝集剤による凝集分離処理でりんを除去できる。
- HAP法は、排水にカルシウムを添加し、アルカリ剤によるpH調整を行い、ヒドロキシアパタイトとして除去するものである。
- MAP法は、アンモニアの存在下でマグネシウム剤を添加し、アルカリ剤によるpH調整を行い、りん酸マグネシウムアンモニウムとして除去するものである。
- 生物的脱りん法は、活性汚泥によるりんの過剰摂取現象を利用するものである。
- 嫌気・無酸素・好気法では、無酸素槽でりんを放出させた後、好気槽でりんを取り込むものである。
正解 (5)
解 説
(1)は正しいです。りんの除去は、鉄系やアルミニウム系の無機凝集剤による凝集分離処理を用いるのが普通です。これは、りん酸イオンと鉄やアルミニウムが難溶性の塩を形成するため、凝集沈殿を効率的に行えるからです。
(2)と(3)は両方とも正しいです。HAP法もMAP法もどちらもりんの除去に用いられる方法です。これらはいずれも重要事項なので、それぞれの特徴をしっかりと押さえておく必要があります。
HAP法は、りんを含む原水にカルシウム剤を加え、pH調整することでヒドロキシアパタイト(水酸化リン酸カルシウム)としてりんを晶析させる方法です。HAPの「H」は「ヒドロキシ」であると覚えておいてください。
MAP法は、アンモニアの存在下でマグネシウム剤を添加し、pH調整を行うことでりん酸マグネシウムアンモニウムとしてりんを回収する方法です。MAPの「M」が「マグネシウム」であることを覚えておくと便利です。
(4)も正しいです。生物的脱りん法は、活性汚泥法において汚泥のりん含有量を高め、余剰汚泥として系外に排出する方法です。
(1)~(4)が正しいので、残る(5)が誤りの記述となります。
嫌気・無酸素・好気法はその名の通り、上段が嫌気槽、中段が無酸素槽、下段が好気槽となっています。それぞれの役割は、嫌気槽でりんを放出させて、無酸素槽で脱窒素を行い、好気槽でりんを取り込んでいます。
よって、「無酸素槽でりんを放出」ではなく、「嫌気槽でりんを放出」とするのが正しいので、正解は(5)です。
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