R2年 汚水処理特論 問4 問題と解説

 問 題     

5種類の排水A~Eについて、それぞれの水中の固形物の粒度分布を測定し、下図のような沈降速度分布曲線を得た。

表面積100m2の横流式沈殿池に40m3/hの水量の排水を流入させて固形物の沈殿除去をするとき、粒子の分離効率が最も高くなるのは、どの排水か。

ただし、排水は流入部から均一に流入し、池内に乱れや短絡がなく、水の流れは並行であり、かつ粒子は沈降の過程で沈降速度が変わることはないものとする。

  1. A
  2. B
  3. C
  4. D
  5. E

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説    

まず、問題文より沈殿池の表面積が100m2で、流入水量が40m3/hなので、その比を求めることでこの横流式沈殿池の表面積負荷を求めることができます。

上式により表面積負荷が40[cm/h]だとわかったので、これよりも沈降速度が大きい粒子はこの沈殿池で沈み切り(=分離できる)、沈降速度が小さい粒子はこの沈殿池では沈み切らない(=分離できない)ということになります。

このことを踏まえ、問題文で与えられた図の中で沈降速度が40[cm/h]のところに注目しながら以下の解説を確認してください。

図には排水A~Eに含まれる固形物の粒度分布が表されていますが、沈降速度が40[cm/h]のところの縦線よりも右側にある粒子は分離可能で、左側にある粒子は分離できないと考えることができます。

例えば、Aはほとんど100%(累積分布≒1)が沈殿速度が40[cm/h]よりも小さい粒子なので、この沈殿池では全然分離できないことがわかります。また、Bについても95%以上分離できていないことが読み取れます。

一方、Cは反対にほとんど100%が沈降速度40[cm/h]以上となっているので、ほとんど分離できることがわかります。つまり、分離効率が最も高くなるのはCの排水であり、(3)が正解となります。

ちなみに、念のためDとEについても確認すると、Dの分離効率は約50%、Eの分離効率は約65%(分離できない分が約35%)であると読み取れます。よって、いずれもCに比べると分離効率が低いです。

以上から、正解は(3)です。

コメント