R2年 汚水処理特論 問1 問題と解説

 問 題     

工場からの排水等の処理計画に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. 排水処理の大原則は、適正な工程管理により可能な限り処理前の水量・汚染状態を低減させることである。
  2. 工場の様々な発生源から排出される汚濁負荷を集合して終末点で処理をするエンドオブパイプからの脱却や、生産工程からの排出を極力抑制しようとするゼロエミッションやクリーナープロダクションの考え方も重要である。
  3. 一般に、工場内の製造排水、冷却排水、衛生排水(し尿及び生活雑排水)を混合して処理することは、個々の汚染物質の濃度を下げることができ、終末点での処理が容易になるので好ましい。
  4. 製品となるべき成分が何らかの理由により排水中に出てくる場合は、生産工程の改善により製品のロスを減らすことで、汚濁負荷量も減らすことができる。
  5. 原料を精製する過程で不純物を水に含ませて排出する場合は、排水の量を減らしても濃度が高くなり、汚濁の絶対量は減らない。

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説    

(3)に関して、それぞれの排水は異なる汚染物質を含んでいます。ある汚染物質にはこの処理方法が有効であり、別の汚染物質には別の処理方法が有効である…という状況なのに、これを混ぜてしまったら様々な処理を施さなければいけなくなります。

複数の排水を混ぜると排水量が大量になりますが、その大量の排水に対して諸々の汚染物質を除去できる高度処理を行うのはものすごく大変なので、コストパフォーマンスが悪いといえます。

よって、工場内の製造排水、冷却排水、衛生排水(し尿及び生活雑排水)は分けて処理するほうが、個々の汚染物質に合った最低限の処理で間に合うので、混ぜないほうが効率的かつ経済的です。

以上から、(3)が正解となります。

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