R2年 公害総論 問13 問題と解説

 問 題     

一般廃棄物に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. 一般廃棄物とは、法令で指定された産業廃棄物以外の廃棄物のことをいう。
  2. 「事業系ごみ」でも、その廃棄物の種類が法令に指定されていなければ、一般廃棄物である。
  3. 一般廃棄物については、原則として排出される区域の市町村が処理責任を負う。
  4. 2017(平成29)年度の一般廃棄物(ごみ)の排出量は、1人1日当たり約920gであった。
  5. 2017(平成29)年度の全国における一般廃棄物処理では、焼却、破砕・選別等による最終処理量は約3850万tであった。

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説    

先に正解を示すと、(5)の「約3850万t」が誤りです。正しくは「約386万t」なので、およそ10倍違います。

とはいえ、廃棄物の最終処理量はあまり頻出ではなく、数値を覚えている人は少ないと思うので、この問題は以下の2つの解法のどちらかで正解できればいいと思います。

一つは、消去法です。これが無難な方法かもしれません。選択肢(1)~(4)はどれも重要事項なので押さえておくべき知識です。これらの記述に矛盾点がないため、残る(5)が正解となるはずだと判断できます。

もう一つは、ある程度の計算をしてみる方法です。

まず、(4)にもある通り、ごみは1人で1日1kg程度排出します。正確には900g程度ですが、微妙な誤差が誤りの選択肢として出題されることはないため、覚えやすいように「1人1日1kg」と覚えていいと思います。

ここで、1年は365日、日本の人口が1億2500万人(2000や3000でも大丈夫です)とすると、1年間に出るごみの量は次のように計算できます。

これが全国における1年分のごみの量です(概算値)。ごみには燃えるものも燃えないものもありますが、割合的には燃えるごみが圧倒的に多く、これらは燃やせば灰になるので量はぐっと小さくなります。

ここでやっと選択肢(5)に戻ります。最終処分量は約3850万tと書かれていますが、4563万tを燃やして3850万tになるというのでは、あまり減った感じがしません。ということは、本当はもっと小さい値になると考えられるので、この数値は誤りだと判断できます。

以上から、正解は(5)となります。

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