R2年 公害総論 問12 問題と解説

 問 題     

騒音・振動公害に関する記述中、(ア)~(ウ)の中に挿入すべき語句・数値の組合せとして、正しいものはどれか。

  • 建設作業振動に対する苦情件数は、振動苦情件数全体の約( ア )%である(環境省:令和元年版環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書による)。
  • 航空機騒音に係る環境基準の達成状況を調査するには( イ )を計測する。
  • 新幹線鉄道騒音の対策として、( ウ )デシベル対策が推進されている。
  • ア      イ      ウ
  1. 78  単発騒音暴露レベル  75
  2. 78  等価騒音レベル    85
  3. 68  単発騒音暴露レベル  75
  4. 68  等価騒音レベル    75
  5. 68  単発騒音暴露レベル  85

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説    

( ア )で、令和元年版環境白書によると、H29年度の振動苦情は「建設作業振動」が67.5%、「工場・事業場振動」が16.3%となっています。よって、( ア )には「68」が入ります。

環境基準の達成率に関する最新の数値はこちらのページにまとめておくので、併せて参照してください。

( イ )には「単発騒音暴露レベル」か「等価騒音レベル」が入りますが、まずはこれらの意味を押さえておく必要があります。

単発騒音暴露レベルとは、その字の通り単発的に発生する騒音のエネルギーを数値化したものです。航空機騒音は継続的なものではなく現象時間が限られている単発性の騒音なので、航空機騒音に対してはこちらを用います。

一方、等価騒音レベルとは、一定時間の間に変動する騒音レベルをエネルギー的な平均値として計算したものです。数十分や数時間といった長い時間の平均値を知りたい場合には、こちらを使います。

よって、( イ )には「単発騒音暴露レベル」が入ります。

( ウ )の文章は「( ウ )デシベル対策が推進されている」という文章に違和感を覚えた方もいるかもしれませんが、実は「75デシベル対策」という用語があります。

75デシベル対策とは、新幹線による騒音が環境基準値(場所により70dBまたは75dB)を全然達成できていないことを踏まえ、新幹線鉄道沿線の住宅密集地域ではせめて75dB以下に抑えよう、ということを目標としたプロジェクトです。

具体的には、防音壁を設置したり、新幹線の車両の形状を改良したりすることで、騒音を抑える試みを行っています。よって、( ウ )には「75dB」が入ります。

以上から、正解は(3)となります。

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