R2年 公害総論 問8 問題と解説

 問 題     

光化学オキシダントに関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. 光化学オキシダントとは、オゾン、パーオキシアセチルナイトレートなどの酸化性物質をいう。
  2. 光化学オキシダントは、窒素酸化物と非メタン炭化水素を含む揮発性有機化合物などがかかわる大気中の光化学反応で生成する。
  3. 光化学オキシダントの生成は、日射量のほか、風向・風速や大気安定度などの気象条件に依存している。
  4. 環境基準は、1時間値の1日平均値が0.06ppm以下である。
  5. 環境基準が定められている大気汚染物質の中で、達成率が最も低い状態が続いている。

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説    

(4)について、光化学オキシダントの環境基準は「1時間値が0.06ppm以下であること」です。(4)に書かれたような1日平均値は関係がありません。

大気汚染に係る環境基準のうち、光化学オキシダント以外の物質については1時間値の1日平均値が環境基準として設定されていますが、光化学オキシダントのみ、単なる1時間値を用います。

というのも、光化学オキシダントは日中の数時間だけ多く発生するため、夜間を含めた24時間の平均値では実態が測れないからです。

参考までに、大気汚染に係る環境基準を以下に列挙します。

  • 二酸化いおう:1時間値の1日平均値が0.04ppm以下であり、かつ、1時間値が0.1ppm以下であること
  • 一酸化炭素:1時間値の1日平均値が10ppm 以下であり、かつ、1時間値の8時間平均値が20ppm 以下であること
  • 浮遊粒子状物質:1時間値の1日平均値が0.10mg/m3以下であり、かつ、1時間値が0.20mg/m3以下であること
  • 微小粒子状物質:1年平均値が15μg/m3以下であり、かつ、1日平均値が35μg/m3以下であること
  • 二酸化窒素:1時間値の1日平均値が0.04ppmから0.06ppmまでのゾーン内又はそれ以下であること
  • 光化学オキシダント:1時間値が0.06ppm以下であること

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