R1年 大気特論 問15 問題と解説

 問 題     

JISによる排ガス中の赤外線吸収方式による窒素酸化物自動計測器に関する記述中、下線を付した箇所のうち、誤っているものはどれか。

NOの(1)波長5.3μm付近における赤外線の吸収量変化を測定し、濃度を連続的に求める測定法である。NOxとして測定する場合には、(2)コンバーターを用いる。

試料セルはガスを連続的に流通する構造であり、セル窓には(3)石英板などのように赤外線を透過するものを用いる。(4)水分、CO2(5)炭化水素などは測定の妨害成分となる。

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説    

(1)は正しい数値ですが、マニアックな知識なので知らなかったとしても構わないと思います。ここでは保留にして、別の選択肢から判断できれば充分です。

(2)も正しく、これは重要事項として必ず押さえたい内容です。赤外線吸収方式ではNOの赤外線吸収量を測定することになるので、もしNOxを測りたい場合には、測定前にNO2をNOに変換しておく必要があります。NO2をNOに還元するための装置が、コンバーターです。

(3)について、紫外線吸収方式のときのセル窓は、石英板などのように紫外線や可視光を透過するものを使います。一方、赤外線吸収方式のときのセル窓は、ふっ化カルシウム板などのように赤外線を透過するものを使います。

よって、(3)の「石英」が誤りで、正しくは「ふっ化カルシウム」となります。

(4)と(5)について、赤外線吸収方式ではNOの波長と水分、CO2、炭化水素の波長が重なるので、これらは妨害物質となります。よって、(4)も(5)も正しいです。

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