問 題
フレーム原子吸光法に関する記述中、下線を付した箇所のうち、誤っているものはどれか。
試料中に含まれる分析対象元素をフレーム(炎)中で(1)励起状態の原子とし、その(2)原子蒸気層に原子の(3)共鳴線を透過させたときの吸光度を測定することによって濃度を求める。
測定用の光源には(4)中空陰極ランプ(ホロカソードランプ)が、紫外部全域にわたるバックグラウンド補正用の光源には(5)重水素ランプが主に用いられる。
正解 (1)
解 説
原子吸光法は、基底状態にある原子が特定の波長の光を吸収して励起状態に遷移する現象を利用しています。つまり、低いエネルギー状態(基底状態)のものが外からの光(エネルギー)を吸収して励起状態となるところを測定するので、「吸光法」と呼ばれます。
逆に、ICP発光分光分析法は、励起状態にある原子が特定の波長の光を放出して基底状態に遷移する現象を利用しています。こちらは、高いエネルギー状態(励起状態)のものが基底状態に戻る際に発する光(エネルギー)を観測するので、名称に「発光」が付いています。
よって、(1)は吸光させる前の状態を答えればよいので、「励起状態」が誤りで、正しくは「基底状態」となります。
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