問 題
嫌気処理法のメタン発酵に関する記述として、誤っているものはどれか。
- 産業排水やし尿及び下水汚泥などに含まれる有機物を嫌気細菌の作用によりメタンや二酸化炭素などに分解するものである。
- メタン発酵法の進歩したものとして、上向流式嫌気汚泥床法(UASB法)や、グラニュール汚泥膨張床式(EGSB)がある。
- 活性汚泥法に比べ、メタン発酵法では、微生物の増殖速度が大きいため、微生物の自己分解により汚泥の発生量が少なくてすむ。
- 好気処理と比べ、メタン発酵法では、酸素供給のための曝気が不要なため、動力が少なくてすむ。
- メタン発酵法は、排水中の有機物をメタンガスに変換し、エネルギーとして利用できる特長がある。
正解 (3)
解 説
(3)に関して、活性汚泥法は好気的な処理であり、メタン発酵法は嫌気的な処理です。一般的に好気処理のほうが嫌気処理よりも反応速度(有機物の分解速度)が速いため、嫌気処理であるメタン発酵法のほうが排水処理に時間が掛かります。
ここで(3)を見ると、メタン発酵のほうが「微生物の増殖速度が大きい」と書いてありますが、これは誤りです。好気性の微生物のほうが酸素を使える分、増殖に有利です。ただし、増殖しやすいということは、その分汚泥が発生しやすいということでもあります。
よって、好気処理の活性汚泥法のメリットは汚水処理の速度が速い(時間が短い)こと、デメリットは汚泥の発生量が多くなってしまうことです。
反対に、嫌気処理のメタン発酵法のメリットは汚泥の発生量が少ないこと、デメリットは汚水処理の速度が遅い(時間がかかる)こととなります。
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