R1年 汚水処理特論 問13 問題と解説

 問 題     

曝気槽容量100m3、MLSS濃度2000mg/L、除去BOD量72kg/日の活性汚泥法のSRT(日)は、およそいくらか。

ただし、除去BODの汚泥への転換率を0.6、内生呼吸による汚泥の自己酸化率を0.05(1/日)とし、曝気槽以外の汚泥量と処理水中のSS量は無視できるものとする。

また、汚泥生成量と余剰汚泥量は等しいものとする。

  1. 2
  2. 4
  3. 6
  4. 8
  5. 10

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説    

この問題を解くには、2つの重要公式を知っておく必要があります。一つは問われているSRTそのものを求める式で、もう一つは余剰汚泥生成量を求める式です。

汚泥滞留時間(SRT)はその名の通り、汚泥が槽内に滞留している時間(単位は「日」を使うことが多い)のことで、以下の式で表すことができます。

上式の分子は「曝気槽の中にあるSS(=MLSS)の量」に相当し、分母は1日に曝気槽から流出するSSの総量に相当します。よって、槽内のSS量を1日の流出量で割れば、槽内のSSが何日で全て抜けるのかがわかり、これがまさに汚泥滞留時間(SRT)となります。

今回の場合、MLSS量は問題文で与えられた曝気槽容量とMLSS濃度の積で求められます(単純な掛け算ではなく、単位の調整は必要ですが)。また、処理水の汚泥量は問題文の最後に「処理水中のSS量は無視できる」とあるので、0として考えます。

よって、SRTを求めるためには、余剰汚泥生成量の値が必要です。これを計算することが目下の課題となります。

この余剰汚泥生成量を求める式が2つ目の重要公式で、以下のように表すことができます。

  • ΔS:余剰汚泥生成量(kg/日)
  • Lr:除去BOD量(kg/日)
  • Sa:曝気槽内汚泥量(kg)
  • a:除去BODの汚泥への転換率
  • b:内生呼吸による汚泥の自己酸化率(1/日)

上式に問題文で与えられた数値を代入すると、次のように計算できます。ただし、Saについては直接与えられていないので、曝気槽容量100[m3]、MLSS濃度2000[mg/L]を使って求めます。

よって、これを解説の冒頭で示したSRTの式に代入すると、求める答えが得られます。

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