問 題
曝気槽容量100m3、MLSS濃度2000mg/L、除去BOD量72kg/日の活性汚泥法のSRT(日)は、およそいくらか。
ただし、除去BODの汚泥への転換率を0.6、内生呼吸による汚泥の自己酸化率を0.05(1/日)とし、曝気槽以外の汚泥量と処理水中のSS量は無視できるものとする。
また、汚泥生成量と余剰汚泥量は等しいものとする。
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解 説
この問題を解くには、2つの重要公式を知っておく必要があります。一つは問われているSRTそのものを求める式で、もう一つは余剰汚泥生成量を求める式です。
汚泥滞留時間(SRT)はその名の通り、汚泥が槽内に滞留している時間(単位は「日」を使うことが多い)のことで、以下の式で表すことができます。
上式の分子は「曝気槽の中にあるSS(=MLSS)の量」に相当し、分母は1日に曝気槽から流出するSSの総量に相当します。よって、槽内のSS量を1日の流出量で割れば、槽内のSSが何日で全て抜けるのかがわかり、これがまさに汚泥滞留時間(SRT)となります。
今回の場合、MLSS量は問題文で与えられた曝気槽容量とMLSS濃度の積で求められます(単純な掛け算ではなく、単位の調整は必要ですが)。また、処理水の汚泥量は問題文の最後に「処理水中のSS量は無視できる」とあるので、0として考えます。
よって、SRTを求めるためには、余剰汚泥生成量の値が必要です。これを計算することが目下の課題となります。
この余剰汚泥生成量を求める式が2つ目の重要公式で、以下のように表すことができます。
- ΔS:余剰汚泥生成量(kg/日)
- Lr:除去BOD量(kg/日)
- Sa:曝気槽内汚泥量(kg)
- a:除去BODの汚泥への転換率
- b:内生呼吸による汚泥の自己酸化率(1/日)
上式に問題文で与えられた数値を代入すると、次のように計算できます。ただし、Saについては直接与えられていないので、曝気槽容量100[m3]、MLSS濃度2000[mg/L]を使って求めます。
よって、これを解説の冒頭で示したSRTの式に代入すると、求める答えが得られます。
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