問 題
ごみ焼却設備の排ガス処理と関係のないものはどれか。
- 減温塔
- バグフィルター
- 硫黄凝縮器
- 活性コークス
- 脱硝触媒
正解 (3)
解 説
(1)の減温塔は、文字通り排ガスの温度を下げるための設備です。ごみは800℃以上で燃やされますが、その後ボイラなどで熱回収されて温度が下がっていきます。
ここで、中途半端に温度が下がってしまうとダイオキシン類の発生しやすい温度帯(300~500℃)となってしまうので、排ガスに水を噴霧することでもっと低い温度まで一気に下げることでダイオキシン類の発生を抑えています。
(2)のバグフィルターは、ごみ焼却によって生じた排ガス中のばいじんやダイオキシン類を除去するために用いられます。
(4)の活性コークスはつまり活性炭のことですが、排ガスに向けて噴霧することで排ガス中の水銀やダイオキシン類を除去することができます。また、脱硝反応の触媒としても働くので、NOx対策としても効果的です。
(5)の脱硝触媒は、文字通り脱硝反応を促進させるための触媒です。V2O5触媒やWO3触媒といった金属触媒を使った脱硝反応塔でNOxを除去します。ちなみに、(4)で出た活性コークスは脱硝反応塔とは関係ありませんが、これも上記で説明した通り、脱硝反応の触媒になります。
以上から、ごみ焼却設備の排ガス処理と関係のないものは(3)の硫黄凝縮器です。
製油所では製造工程で生じた硫化水素を硫黄に変えて回収しています(クラウス法)。そのために必要となる設備が硫黄凝縮器なので、これはごみ焼却設備ではなく製油所に関係する設備です。
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