R1 大規模水質特論 問1

 問 題     

エスチャリーにおける流体力学モデルの計算過程に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  1. 境界条件として、河川流量、外洋での水温や塩分、風の場などの気象要因等を用いる。
  2. 水柱を複数のレベルに分けて計算する三次元的マルチレベルモデルを用いる。
  3. 塩水、淡水等の流体を、回転する非粘性、圧縮性流体として扱う。
  4. 観測結果との比較により、計算結果を検証する。
  5. 浅海域では、海水の密度を温度と塩分から計算できる。

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説    

答えを先に示しておくと、(3)の「非粘性、圧縮性流体」が誤りで、正しくは「粘性、非圧縮性流体」となります。

全ての物質は多かれ少なかれ粘性を持ちますが、流体力学モデルの計算を行う場合には、計算が煩雑化することを避けるために、この粘性をあえて無視する場合があります。粘性を考慮した場合の流体を「粘性流体」、無視した場合の流体を「非粘性流体」といいます。

空気のような粘性の小さいガスは非粘性流体として扱うこともありますが、水のような液体だと無視できるほど粘性が小さいとはいえないので、大抵の場合は粘性流体と見なします。よって、エスチャリーにおける流体力学モデルの計算でも、水は粘性流体として扱います。

また、「圧縮性流体」というのは、圧力をかけると縮む性質を持った流体、ということで、圧力や温度によって密度が変化する流体のことを指します。一方、圧力や温度が多少変わったところで密度の変化を無視できるなら、それは「非圧縮性流体」と呼ばれます。

圧力や温度が変わった場合の密度の変化を考えると、粘性のときとは反対に、ガスだと密度が変化しやすい一方で、液体はそんなに変化が出ません。よって、水は非圧縮性流体として扱われることが多いです。

以上から、エスチャリーにおける流動のモデルでは塩水、淡水を「粘性、非圧縮性流体」として扱います。

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