法改正:六価クロム・大腸菌の排水基準 (2024.4.1/2025.4.1)

関連する試験科目

公害総論、水質概論、水質有害物質特論

法律・規則改正の根拠

  • 水質汚濁防止法施行規則等の一部を改正する省令(令和6年環境省令第4号)
  • 環境大臣が定める排水基準に係る検定方法等の一部を改正する件(令和6年環境省告示第4号)

改正の施行日

  • 令和6年(2024年)4月1日(六価クロムの排水基準、検定方法)
  • 令和7年(2025年)4月1日(大腸菌数の排水基準)

改正の概要

  1. 六価クロムの排水基準が「0.5(mg/L)」から「0.2(mg/L)」に変更されました。(2024.4.1)
  2. 六価クロムの検定方法から「フレーム原子吸光分析法」が除外されました。(2024.4.1)
  3. 排水基準「大腸菌群数:3000(個/cm3)」が「大腸菌数:800(CFU/mL)」に変更されます。(2025.4.1)

くわしい説明

六価クロムは人体に特に有害な物質であり、2020年4月に水道水の基準値が0.05mg/Lから0.02mg/Lに改正され、2022年4月に水質環境基準も0.05mg/Lから0.02mg/Lに改正されています。

このような流れの中、水質汚濁防止法に定める排水基準もより厳しい基準値を設けることになり、六価クロムの排水基準が「0.5mg/L」から「0.2mg/L」に変更されました。

また、これに併せて六価クロムの検定方法についても整理が行われ、「フレーム原子吸光分析法」が検定の公定法から除外されることになりました。

一方、排水基準には今まで「大腸菌群数」の基準がありましたが、これが削除され、新たに「大腸菌数」が追加されることになりました。

昔は大腸菌のみを簡便に検出する技術がなかったので、仕方なく大腸菌群をまとめて測定していました。この場合、ふん便由来の大腸菌だけではなく、それ以外の細菌も含んだ測定結果になってしまいます。

しかし、近年は大腸菌のみを簡便かつ正確に検出できるようになったので、水質基準の項目と基準値を「大腸菌群数:3000(個/cm3)」から「大腸菌数:800(CFU/mL)」に改めました。これにより、排水がふん便汚染されていないかどうかを正確に知ることができるようになりました。

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