水酸化マグネシウムスラリー吸収法に関する記述中、(ア)~(ウ)の中に挿入すべき語句の組合せとして、正しいものはどれか。
水酸化マグネシウムを5~10%含むスラリーに二酸化硫黄を吸収させ、さらに空気による酸化で( ア )として、それを放流する方法である。本方法では、一部の溶液を取り出し、( イ )を加えて、水酸化マグネシウムを再生するとともに、( ウ )を回収することもできる。
ア イ ウ
- 硫酸マグネシウム 水酸化カルシウム 石こう
- 硫酸マグネシウム 硫酸カルシウム 石こう
- 硫酸マグネシウム 硫酸カルシウム 酸化マグネシウム
- 亜硫酸マグネシウム 水酸化カルシウム 酸化マグネシウム
- 亜硫酸マグネシウム 水酸化カルシウム 石こう
解 説
水酸化マグネシウムスラリー吸収法は、水酸化マグネシウムを使って排ガス中に含まれる二酸化硫黄を除去する方法です。
反応の流れとしては、まず、排ガス中のSO2が水分と反応し、H2SO3となります。
続いて、それが水酸化マグネシウムと反応し、MgSO3が生成されます。また、これがH2SO3と反応すると、Mg(HSO3)2に変わります。もし、このMg(HSO3)2がさらに水酸化マグネシウムと反応すれば、再びMgSO3が生成されます。
上の3つの化学反応式を見てもわかるように、生成したMgSO3がMg(HSO3)2になったり、またMgSO3に戻ったりしています。要するに、この一連の反応によって生じる廃液には、MgSO3とMg(HSO3)2とが混じり合っていると考えてください。
以上で脱硫という目的は果たしているのですが、このままMgSO3やMg(HSO3)2を含んだ水を放流してしまうと環境に悪い(CODが上がる)ので、実際にはこれらを空気で酸化して、環境への負荷が少ないMgSO4まで反応を進めてから排水として放流します。
よって、(ア)には「硫酸マグネシウム」が入ります。
また、生成したMgSO4を水酸化カルシウム(Ca(OH)2)と反応させることにより、以下の化学反応式の通り、石こう(CaSO4・2H2O)として回収することもできます。よって、(イ)には「水酸化カルシウム」が、(ウ)には「石こう」が入ります。
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