H30年 水質有害物質特論 問1 問題と解説

硫化物法による重金属排水の処理に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. 硫化物法では、一般にpH4以下の酸性領域で処理を行う。
  2. 水銀、カドミウムの硫化物の溶解度積は、水酸化物の溶解度積に比べ非常に小さい。
  3. 過剰硫化ナトリウムが存在すると、硫化物は多硫化物となり再溶解を起こす。
  4. 鉄塩の添加によって過剰硫化物イオンを固定し、同時に生成する水酸化物の共沈効果により凝集性が向上する。
  5. 硫化水素の毒性、臭気、腐食性などに留意して排水処理を行う。

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説    

重金属類の硫化物は水に溶けにくいものが多いです。そのため、重金属排水の処理として硫化物法を選ぶメリットの一つに、pHが中性領域で処理ができるという点が挙げられます。

よって、(1)が誤りで、pHが中性領域での処理が可能です。

さらにいうと、重金属排水を硫化物法で処理する場合、鉄塩を併用すればpH中性域で低濃度まで処理することが可能です。「鉄塩の併用」についても出題されることがあるので、併せて押さえておいてください。

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