H30年 水質概論 問10 問題と解説

水質汚濁防止のための生活排水対策に関する記述として、誤っているものはどれか。ただし、数値は平成27年度の集計データ(東日本大震災の影響により調査不能な市町村を除く。)による。

  1. 汚水処理施設として、下水道のほかに、浄化槽、農業等集落排水施設、コミュニティ・プラント等の整備が進められている。
  2. 汚水処理施設の処理人口は、総人口の85%を超えている。
  3. 下水道による処理人口は、総人口の70%以下である。
  4. 浄化槽による処理人口は、総人口の10%以下である。
  5. コミュニティ・プラントによる処理人口は、総人口の1%以下である。

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説    

(1)は正しい記述ですが、「農業等集落排水施設」や「コミュニティ・プラント」といったあまり聞き慣れない言葉が入っているため、この選択肢はスルーでもよいかもしれません。なお、実際の汚水処理施設の内訳は、ほとんどが「下水道」で、残りのうちのほとんどが「浄化槽」です。そのほかは微々たる割合なので、押さえておかなくてよいと思います。

(2)も正しい記述です。汚水処理施設は全体の90%程度の普及率です。

(3)は(1)と(2)の解説からも推測できると思いますが、汚水処理施設のほとんどが下水道なので、この普及率は総人口の70%を超えています。実際には、総人口の80%を少し下回る程度となっています。

(4)は正しい記述ですが、これはなかなか微妙な数値です。(1)~(3)の解説を通して考えると、汚水処理施設の普及率が全体の90%くらいで、下水道は80%くらい。下水道と浄化槽以外のものは無視できるほど少ないなら、浄化槽の割合は90-80=10%と計算できます。つまり、浄化槽の割合は約10%程度です。

しかし、このように考えると選択肢の記述のちょうどボーダーラインになってしまい、判断がつきません。正確には9.1%なので(4)の記述は正しいのですが、この判断ができなくても、(3)が明確に誤りなので、(4)が曖昧なままでも解答できるような問題構成になっています。

(5)は上記の通り、知っておく必要のない数値だと思います。参考までに載せておくと、その割合は0.2%ほどです。

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