H30年 汚水処理特論 問23 問題と解説

流れ分析法による全りんの測定に関して、次に示す酸化分解前処理モリブデン青発色FIA法の構成のア~ウに該当する語句の組合せとして、最も適切なものはどれか。

    ア          イ          ウ

  1. キャリアー液(水)   酸化剤溶液      アスコルビン酸溶液
  2. キャリアー液(水)   アスコルビン酸溶液  酸化剤溶液
  3. 酸化剤溶液      アスコルビン酸溶液  キャリアー液(水)
  4. アスコルビン酸溶液  酸化剤溶液      キャリアー液(水)
  5. アスコルビン酸溶液  キャリアー液(水)   酸化剤溶液

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説    

全りんの分析法といえばモリブデン青吸光光度法ですが、この問題は問題文の冒頭に書かれている通り、流れ分析法による全りんの測定からの出題です。流れ分析とは、試料の前処理から測定までの一連の作業を自動で行える装置を使った分析法です。

過去の出題傾向から考えても、この問題は内容的にマニアックすぎると感じます。そこで、この問題では知識が問われているのではなく、図と選択肢を見ながら判断する考察力が問われているのだと解釈することにします。以下、そのようなアプローチから解説します。

まず、(ア)と(イ)の先には酸化分解装置があるので、(ア)か(イ)の一方は「酸化剤溶液」となるはずです。よって、選択肢(2)と(5)は除外できます。

また、キャリアー液とかキャリアーガスの「キャリアー」には「運び手」という意味があります。試料がそのままでは分析装置の中をスムーズに流れていかないようなとき、キャリアー液やキャリアーガスを使って試料を後段へと押し流します。

よって、試料導入器からくる試料と最初に接触するのが(ア)であるため、(ア)が「キャリアー液(水)」となり、先ほどの見解と合わせると(イ)が「酸化剤溶液」であるとわかります。あとは選択肢から、(ウ)が「アスコルビン酸溶液」となります。

以上のように考えていけば、選択肢(1)が正解であると判断することができます。

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