H29年 大気特論 問11 問題と解説

アンモニア(NH3)接触還元法に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. 主に用いられている触媒は酸化チタンを担体とし、酸化バナジウムを活性金属とするものである。
  2. ハニカム触媒の圧力損失は、ペレット触媒のそれより大きい。
  3. 排ガス中のNOと注入したNH3が1:1のモル比で反応する。
  4. NOxは250~450℃の温度で還元される。
  5. 還元剤として、尿素を利用したシステムも一部実用化されている。

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説    

(1)は正しいです。たとえば白金系触媒はSOxで被毒されやすい触媒です。一方、酸化チタンは硫酸塩化されにくい担体であるので、特にSOxを含む排ガスを処理する場合は、酸化チタンを担体とした酸化バナジウム触媒を用いるのが有効です。

(2)で、ダストによる閉塞防止と圧力損失低減のために、ハニカム状あるいはプレート状の触媒が用いられます。ハニカム状というのは格子状の構造で、プレート状は板状、ペレット状は粒状です。よって、ペレット状の触媒は圧力損失が大きいので、この記述が誤っています。

(3)も正しい記述で、その化学反応式は以下の通りです。

(4)と(5)はややマニアックな内容ですが、どちらも正しい記述です。この問題は(2)の文章が明確に誤っているので、(4)や(5)で判断する必要はないと思います。

コメント