H29年 大気概論 問1 問題と解説

大気汚染防止法に規定するばい煙の排出の制限に関する記述中、(ア)~(ウ)の中に挿入すべき語句の組合せとして、正しいものはどれか。

ばい煙発生施設において発生するばい煙を大気中に排出する者(以下「ばい煙排出者」という。)は、そのばい煙量又は( ア )が当該ばい煙発生施設の( イ )において( ウ )に適合しないばい煙を排出してはならない。

    (ア)     (イ)      (ウ)

  1. ばい煙濃度  排出口     排出基準
  2. 合計量    敷地の境界線  使用基準
  3. ばい煙濃度  敷地の境界線  許容限度
  4. 排出量    敷地の境界線  排出基準
  5. ばい煙総量  排出口     許容限度

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説    

(ア)は直前と合わせると「ばい煙量又は(ア)」なので、ここに「合計量」や「排出量」、「ばい煙総量」を入れるのは、量が重複しておかしいです。ばい煙の量と並列に扱われるのは濃度であるため、ここは「ばい煙濃度」が入ります。

(イ)について、ばい煙の排出の制限が掛かるのは「排出口」です。ほかの選択肢には「敷地の境界線」とありますが、たとえ工場の煙突から有害ガスが排出されたとしても、その有害成分が煙突の高さから地上に降りてくる間に、風に乗って遠くまで流れてしまいます。

よって、煙突のふもとに近い工場敷地境界では、ばい煙が汚染されているかどうか判断できないので、(イ)は「排出口」とするのが適切です。

(ウ)に関して、ここではばい煙を排出する話をしているので、(2)の「使用基準」は明らかに誤りです。残るのは「排出基準」と「許容限度」ですが、これらはほぼ同じ意味合いの言葉です。結論から先にいえば、大気汚染防止法第13条の条文では「排出基準」となっているので、(ウ)には「排出基準」を入れるのが正解です。

ただし、重要法律の第1条や第2条については特に大事なので条文を正確に覚えておくのは有益ですが、今回は第13条であり、ここまで細かく覚えておくのは現実的ではないかもしれません。よって、この問題は「排出基準」か「許容限度」を判断できなくても構わないと思いますし、実際、(ア)と(イ)を正確に答えていれば、選択肢(1)が正解であると判断することができます。

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