H29年 水質有害物質特論 問15 問題と解説

ヘッドスペース-ガスクロマトグラフ質量分析法によるベンゼンの検定方法に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. バイアルに塩化ナトリウムをとり、試料を空間が残るように静かに泡立てないように加える。
  2. バイアルに加える塩化ナトリウムは、試料の塩濃度の相違による分析値のばらつきを防止するとともに、塩析効果による感度向上のためである。
  3. 試料に添加するフルオロベンゼンは内標準物質として用いられる。
  4. 一定温度に調節した恒温槽に、試料を入れたバイアルを1~2分間静置し、気液平衡状態とする。
  5. 気液平衡状態となった気相の一定量をガスタイトシリンジでとり、ガスクロマトグラフ質量分析計に注入する。

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説    

ベンゼンの検定方法として定められているのは、以下の3つです。

  • パージ・トラップ−ガスクロマトグラフ質量分析法
  • ヘッドスペース−ガスクロマトグラフ質量分析法
  • パージ・トラップ−ガスクロマトグラフ法

…というのはできれば押さえておきたい知識ですが、この問題はさらにこの分析法の詳細にまで踏み込んでいるので、ややマニアックな出題といえます。そのため、個人的にはこれは捨て問題扱いにしてしまって構わないと思います。

一応、答えを示しておくと、(4)のように恒温槽で「1~2分間」静置するだけでは気液平衡状態に達するまでの充分な時間がとれないので、ここを「30~120分間」と改める必要があります。

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