H29年 汚水処理特論 問23 問題と解説

全窒素の測定に関する記述中、下線を付した箇所のうち、誤っているものはどれか。

全窒素の測定には(1)総和法または(2)紫外線吸光光度法を用いる。前者は2つの試料を取り、その片方で(3)亜硝酸イオンと硝酸イオンに相当する窒素の合量を、他方で(4)アンモニウムイオンと有機体窒素に相当する窒素の合量を求め、それらの和を全窒素とする。後者は、試料をアルカリ性ペルオキソ二硫酸塩の共存下で(5)室温で1時間放置後、その紫外部の吸光度を測定して全窒素を求める。

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説    

全窒素の測定には、総和法、紫外線吸光光度法、流れ分析法の3つがあり、この問題ではそのうち総和法と紫外線吸光光度法が出題されています。

総和法については問題文に書かれている通りです。

一方、紫外線吸光光度法は、試料をアルカリ性ペルオキソ二硫酸塩共存下で加熱酸化分解して、すべての窒素化合物を硝酸イオンに変換して、その紫外部の吸収を測定することで全窒素を求めます。加熱により酸化分解させるので、(5)の「室温」が誤りであると判断することができます。

より正確には、「室温で1時間放置後」は「120℃で30分間加熱後」となりますが、細かい温度や時間を覚えておくよりも、加熱酸化分解ですべての窒素分を硝酸イオンに変えるということを押さえておくほうが大事だと思います。

ちなみに、流れ分析法では、試料中の窒素化合物を酸化分解し、その結果生じる硝酸イオンの定量を流れ分析法によって行い、全窒素を定量します。

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