H29年 汚水処理特論 問6 問題と解説

活性炭吸着法に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. 活性炭製造の木質系原料として、ヤシ殻、木材、おがくずなどが用いられている。
  2. 活性炭の表面は疎水性が強いため、疎水性が強く分子量が大きい物質ほど吸着されやすい。
  3. 吸着平衡を表す式としてフロイントリッヒの式がある。
  4. 破過点に達した活性炭の再生には105~200℃で賦活する乾式加熱法がある。
  5. 乾式加熱法としてロータリーキルン、流動炉が使われる。

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説    

(2)は正しい記述ですが、重要事項として押さえておいてください。活性炭は疎水性が強く分子量が大きい物質を吸着するのは得意ですが、反対に親水性のものや分子量の小さいもの(たとえばイオンなど)は除去できません。

(3)も正しい選択肢です。フロイントリッヒの式は活性炭の吸着量を表す式で、以下の通りです。

  • X:活性炭の単位質量当たりの溶質吸着量
  • C:平衡濃度
  • k,n:定数

(4)について、まずは破過点について説明します。ある条件で活性炭を通水していると、一定時間を超えるときに急に処理水濃度が原水濃度に近づいてしまうことがあります(要するに、活性炭が急に役立たずになります)。これは充塡層が吸着飽和に達し、効果を発揮しなくなったためで、この飽和に達した点のことを破過点といいます。

とはいえ、その活性炭はもう使えなくなるわけではなく、焼き直せば再度使用することができるようになります。そのことを賦活といい、(4)にあるように乾式加熱法という手法を取るのですが、(4)にある「105~200℃」では温度が低すぎます。正しくは「700~1000℃」であり、この数字を正確に覚える必要はありませんが、活性炭を焼き直すのに100℃程度では低いことは知っておきたい感覚(または知識)です。

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