H29年 大規模大気特論 問10 問題と解説

我が国の鉄鋼プロセスに関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. 鉄鋼プロセスは、資源やエネルギーを大量に必要とするプロセスであり、環境への負荷も大きい。
  2. 焼結炉が、SOxの最も主要な発生源である。
  3. コークス炉ガスに含まれる硫化水素は、クラウス法により除去される。
  4. ばいじん、粉じんは、多種多様な工程から発生する。
  5. 排ガス脱硝には、触媒を用いたアンモニア接触還元法が採用されている。

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説    

確かに鉄鋼プロセスのコークス炉ガスには硫化水素が含まれていますが、その除去は「クラウス法」ではなく、「湿式脱硫法」か「乾式脱硫法」で行います。

湿式脱硫法は、アルカリ吸収液を使って硫化水素を中和・吸収する方法で、現在はこれが主流です。

乾式脱硫法は、活性炭を使って硫化水素を吸着させる方法で、湿式に比べて導入例は少ないものの、近年この方法が増えてきています。

参考までにクラウス法にも触れておくと、これは鉄鋼プロセスではなく、製油所で用いられる方法で、硫化水素を硫黄に変えて回収することができます。

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