H29年 大規模水質特論 問2 問題と解説

海域における栄養塩に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. 現在の水質総量規制では、CODとともに窒素、りんが総量規制対象項目として指定されている。
  2. けい藻による栄養塩の摂取速度は、けい酸塩濃度が制限になる場合がある。
  3. 外洋からの栄養塩の負荷量は観測によって把握することが必要となる。
  4. 栄養塩の無機化によりデトリタスが生成し、一部は海底に沈降する。
  5. 河川からの栄養塩の負荷量はL-Q曲線から求めることができる。

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説    

デトリタスとは懸濁体有機物のことです。これは、動物プランクトンの排ふん、死亡により生産されることもあれば、植物プランクトンが枯死することで生産されることもあります(もちろん両方が混ざっているものもあります)。

このようにデトリタスは有機物の成れの果てのようなものなので、(4)の「栄養塩の無機化」が誤りです。そもそも栄養塩というのは一般的に無機物なので、「無機物の無機化」は文章的にもおかしいです。

(4)の後半は正しく、デトリタスの一部は海底に沈降します。また、(4)の前半は反対なら成り立ちます。デトリタスは無機化することがあり、その場合は栄養塩が生成します。

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