H28年 大気有害物質特論 問6 問題と解説

塩素の吸収及び回収に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. 塩素-水系では、塩化水素と次亜塩素酸が生成する。
  2. 塩素-水系では、ガラス管や磁製充塡物が吸収装置の材料として優れている。
  3. 排ガス中の塩素をシリカゲルに吸着させ、次いで加熱脱着して塩素を回収する方法がある。
  4. 排ガス量が多く、塩素濃度が低い場合は、石灰乳又は水酸化ナトリウム溶液が吸収剤として用いられる。
  5. 硫酸鉄(Ⅲ)の水溶液を用いて、塩素を吸収させる方法がある。

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説    

「硫酸鉄(Ⅲ)」が誤りで、正しくは「硫酸鉄(Ⅱ)」となります。

硫酸鉄(Ⅱ)と塩素とのイオン反応式は次の通りで、塩素によって2価の鉄が酸化されて3価の鉄になります(2価の鉄によって塩素が還元されたともいえます)。

(5)のように3価の鉄を使ってもそれ以上酸化できないので、還元剤になりません(塩素を還元させられません)。

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