硫黄酸化物(SOx)に関する記述として、誤っているものはどれか。
- 硫黄を含んだ化石燃料の燃焼により発生する主なSOxは、二酸化硫黄(SO2)と三酸化硫黄(SO3)である。
- 微粉炭の燃焼で発生するSOxのうち、SO3は10%程度といわれている。
- 大気中に放出されたSO3は、水分と反応して硫酸ミストを生成する。
- 固定発生源からの総排出量は、現在、SOxのほうが窒素酸化物(NOx)より少ない。
- 施設種別のSOx排出量で、最も多いのは、ボイラーである。
正解 (2)
解 説
(1)について、硫黄酸化物(SOx)には多くの種類がありますが、そのうち主なものは二酸化硫黄(SO2)と三酸化硫黄(SO3)の2つです。特に、大気汚染物質として問題視されるのはほとんどこの2種類のみなので、これは正しい記述です。ただし、この2つを比べると二酸化硫黄(SO2)の割合のほうが三酸化硫黄(SO3)よりも圧倒的に多いです。
(2)は、(1)の解説にもある通り、SO2とSO3ではSO2のほうがずっと多いです。実際にはSO3はSOxのうち1~5%程度なので、(2)にある10%は言い過ぎです。しかし、SO3の割合が少ないことは知っていても、それが10%か1~5%かというのはややマイナーな知識が必要です。よって、この問題は消去法で答えることができればよいと思います。
(1)、(3)、(4)、(5)の内容は重要なので、押さえておく必要があります。
(3)は、以下に示す化学反応により硫酸が生成するので、正しい記述です。
(4)について、窒素酸化物(NOx)は空気中の8割を占める窒素が原因となって生成することもあるので、NOxのほうがSOxよりも排出量が多くなります。よって、これも正しい記述です。
(5)は、ボイラーだけでSOx総排出量の7割程度を占めています。よって、正しい記述です。
コメント