H28年 水質有害物質特論 問8 問題と解説

有機塩素系化合物を含む排水や地下水の処理に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. 曝気(ばっき)により揮散させる方法がある。
  2. 過マンガン酸塩により酸化分解する方法がある。
  3. 好気細菌による還元的脱塩素化反応で分解する方法がある。
  4. 有機物と栄養塩類の添加により、土着の細菌を活性化して分解する方法がある。
  5. 過酸化水素存在下で紫外線照射により分解する方法がある。

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説    

還元的脱塩素化反応は「好気細菌」ではなく「嫌気細菌」による分解方法です。

嫌気細菌の働きにより、有機塩素化合物の塩素原子を1つずつ水素原子に変えます。たとえばトリクロロエチレンを例に挙げると、トリクロロエチレン(C2HCl3)の塩素が1つずつ水素と入れ替わるので、ジクロロエチレン(C2H2Cl2)、ビニルクロライド(C2H3Cl)を経て、最後に塩素のないエチレン(C2H4)まで分解されます。

また、好気細菌によって有機塩素化合物を分解する場合は、還元ではなく酸化反応が進行して、有機塩素化合物中の炭素、水素、塩素はそれぞれCO2、H2O、Clに分解されます。

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