H28年 汚水処理特論 問21 問題と解説

フェノール類の検定に関する記述中、下線を付した箇所のうち、誤っているものはどれか。

4-アミノアンチピリン吸光光度法では、前処理した試料を(1)pH4以下に調節し、これに4-アミノアンチピリン溶液と(2)ヘキサシアノ鉄(Ⅲ)酸カリウム溶液とを加えて、生成する赤い色のアンチピリン色素の吸光度を(3)波長510nm付近で測定する。発色の強さは、置換基の(4)種類(5)位置、数などによって差がある。

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説    

フェノール類の検定に4-アミノアンチピリン吸光光度法を用いることは重要事項として押さえておいてください。ですが、この問題では4-アミノアンチピリン吸光光度法の具体的な操作方法を聞いているのでやや難しい部類の出題です。

とはいえ、4-アミノアンチピリン吸光光度法に限らず、発色の強さは置換基の種類や位置、数などによって変わります。よって、(4)と(5)は正しいので、(1)~(3)の3択までは難なく絞りたいところです。

残る(1)~(3)については知らないと答えづらい問題ですが、正解を示しておくと、(1)が誤りで「pH4以下」ではなく「pH約10」と直す必要があります。

ちなみに、pH4というのは分析するときの値ではなく、フェノール類を含む試料を保存する場合のpHです。フェノール類を含む試料の保存方法は「りん酸で約pH4にし、硫酸銅(Ⅱ)を加え、0~10℃の暗所とする」となります。この問題とは直接関係ありませんが、これは重要事項として覚えておいてください。

以上から、「フェノール類は保存するときは弱酸、分析するときは弱塩基」というふうに覚えておけば、正確なpHを暗記しなくてもこの問題の正解を選ぶことができます。実際、pH4が正しいところをpH3やpH5として誤りの文章とするような、そんな微妙な出題はされません。なので、弱酸とか弱塩基とかいう大雑把な認識で充分です。

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