H28 汚水処理特論 問19

物理化学処理装置の維持管理に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. 中和反応装置に用いるpH計の校正は、1年に1回程度行う。
  2. 粒状活性炭充塡塔に上向流で通水する場合、活性炭の流出がない範囲でなるべく流速を大きくとり、上下が十分混合するよう運転する。
  3. 膜処理装置の薬液洗浄には、塩化鉄(Ⅲ)を使用する。
  4. ろ過装置で、ろ層が閉塞するまでに捕捉できる浮遊物質の量は、被ろ過水の浮遊物質濃度に比例して大きくなる。
  5. 酸化還元装置では、pH一定の条件下において、ORP制御による薬品注入を行う。

正解.5

(1)について、1年に1回の校正では無視のできない誤差が生じるおそれがあります。できれば2週間に1回程度、少なくとも月に1回の頻度で校正するべきです。

(2)で、上下が混合するほど通水速度を上げてしまうということは、水の流れがかなり乱れていることになります。この状態では活性炭と水との接触も安定して起こらないので、結果として処理能力が落ちてしまいます。そのため、通水速度はなるべく早くない(むしろ遅い)ほうが良いです。

(3)で、塩化鉄(Ⅲ)は凝集剤としてよく使われますが、膜処理装置の薬液洗浄としては用いられません。膜処理装置の薬液洗浄は塩を除去することが目的となるので、次亜塩素酸ナトリウムや水酸化ナトリウム、クエン酸のような酸または塩基を使うことが多いです。

(4)に関して、被ろ過水(ろ過される水)の浮遊物質濃度が高いとろ過装置の詰まりが起こりにくくなる、というような事実はありません。

ろ過装置が詰まるまでに捕捉できる浮遊物質の量が大体100と決まっていれば、きれいな水(浮遊物質の量が1日で1とする)を通水する場合だとろ過装置は100日間持ち、汚い水(浮遊物質の量が1日で10とする)を通水する場合だとろ過装置は10日間しか持ちません。

結局のところ上記の場合は浮遊物質の量がどちらも100になるので、ろ層が閉塞するまでに捕捉できる浮遊物質の量は概ね一定であり、被ろ過水の浮遊物質濃度との間に相関関係は見られません。

(5)について、ORPとは酸化還元電位のことなので、酸化還元装置でORP制御を行うのは正しいです。

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