H28年 公害総論 問7 問題と解説

現在の環境状況に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. 平成25年度における我が国の温室効果ガス総排出量は、平成2年度のそれと比べて約10%減少した。
  2. 成層圏オゾン層破壊に関与するクロロフルオロカーボンの大気中濃度は、減少傾向にある。
  3. 二酸化窒素の大気中濃度の年平均値は、一般環境大気測定局、自動車排出ガス測定局ともに緩やかな改善傾向にある。
  4. 公共用水域全体におけるBOD又はCODの環境基準達成率は、この数年間、数%の範囲内でほぼ横ばいで推移している。
  5. 平成27年版環境白書によれば、悪臭の苦情件数は、平成25年度までに10年連続で減少した。

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説    

(1)の平成2年というのは「地球温暖化防止行動計画」を策定した年で、京都議定書で定めた「6%削減」というのは、平成2年を基準にしています。平成25年度の実績はこの基準年と比べて10.8%ほど増加しているため、「減少」は誤りです。

ここ10年くらいを見ても、基準年を下回っているのは平成21年だけで、これは地球温暖化対策のおかげというよりはリーマン・ショックに伴う経済活動の低迷が原因であると考えられます(それでも基準年の1.6%減程度)。

(4)は正しい記述ですが、具体的には87~89%くらいです。9割を少し下回るくらい、と覚えておくと良いと思います。

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