H28年 大規模大気特論 問6 問題と解説

風洞による拡散の模型実験に関する記述中、(ア)、(イ)の中に挿入すべき語句の組合せとして、正しいものはどれか。

拡散モデルでは精度の高い予測が困難な場合に、風洞実験が採用されることがある。ただし、風洞内の気流では( ア )あるいは安定な気層の再現が難しい。また、一般的な実験で得られる濃度は( イ )程度の平均化時間に対応していて、長い平均化時間に対応する濃度を求めるには特別な工夫が必要である。

  (ア)   (イ)

  1. 逆転層  数秒
  2. 中立   数分
  3. 不安定  数分
  4. 不安定  1時間
  5. 逆転層  1時間

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説    

風洞実験とは、模型を使って地形や建物による影響を再現する手法です。

実物大と比べるとはるかに小さい模型を使うので、パスキルの大気安定度のうち最も普通である「中立」条件なら再現しやすいですが、両極端である「安定」や「不安定」な気層を再現するのは難しいです。よって、(ア)には「不安定」が入ります。

また、やはり模型の大きさに限界があるので、模型にガスを流しても比較的早く拡散してしまい、長い平均化時間に対応する実験はやりにくいです。

かといって数秒程度というほど短いと、モデルとして参考にできる状況がかなり限られてしまうので、一般的に用いられる模型は数分程度の平均化時間に対応した濃度を求めるためのものになっています。よって、(イ)には「数分」が入ります。

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