H28年 大規模大気特論 問5 問題と解説

数値解法を用いて濃度分布やその変動を求める数値解モデルに関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. 格子モデルは、数値解モデルの形式の一つである。
  2. 建屋後流拡散を扱えるPRIMEモデルは数値解モデルである。
  3. 光化学大気汚染のシミュレーションには、数値解モデルが用いられる。
  4. 複雑な構造を持つ市街地などの汚染予測に、数値解モデルを使用する試みもされている。
  5. 地球規模の汚染や、気候変動のシミュレーションには数値解モデルが用いられる。

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説    

拡散モデルには大きく、数値解モデルと解析解モデルとがあります。このうち、数値解モデルにはさらに格子モデルと流跡線モデルがあり、解析解モデルにはプルームモデルとパフモデルがあります。

よって、(1)は正しく、また、数値解モデルを適用する代表例は(3)や(5)にあるように、光化学大気汚染、地球規模の汚染、気候変動のシミュレーションなどが挙げられます。さらに、近年では(4)のように複雑な構造を持つ市街地などの汚染予測にも適用されつつあります。

一方、解析解モデルを適用する代表例は、建屋後流拡散を扱えるPRIMEモデルのほか、沿岸域で発達する内部境界層によるヒュミゲーション時の拡散モデルであるLyons and Coleのモデルや、幹線道路などのように障害物のない直線道路を扱えるHIWAYモデルなどが挙げられます。

よって、(2)の「数値解モデル」が誤りで、正しくは「解析解モデル」となります。

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