ダクト内のダスト濃度測定における等速吸引に関する記述として、誤っているものはどれか。
- JISでは、吸引ガスの流速は測定点の排ガス流速に対して相対誤差±5%の範囲内と規定されている。
- JISでは、測定点での排ガスの流れ方向と吸引ノズルの方向との偏りは10°以下と規定されている。
- 吸引速度が排ガス流速より小さいと、測定ダスト濃度は真のダスト濃度より大きくなる。
- 吸引ノズルが排ガスの流れに直面していない場合、測定ダスト濃度は真のダスト濃度より小さくなる。
- 等速吸引できなかった場合の誤差の推定にデービスの式は有効であるが、デービスの式で補正を行うことは、JISでは認められていない。
正解 (1)
解 説
吸引ガスの流速が排ガス流速よりも大きい場合は、実際の濃度よりも小さく計測されます。一方、吸引ガスの流速が排ガス流速より小さい場合には、測定濃度が実際より大きく計測されます。
※ その理由についてはこの問題の趣旨ではありませんが、重要事項なので、ぴんとこない方はH27年 問13の解説を参照してください。
そのため、吸引ガスの流速と排ガス流速はなるべく合わせたほうが良いのですが、ぴったりにすることは難しいので、その許容範囲を「相対誤差-5~+10%の範囲内」と定めています。
+と-で許容する幅が異なっているのは、吸引ガスの流速が大きいときにダスト濃度が小さくなる度合いと、吸引ガスの流速が小さいときにダスト濃度が大きくなる度合いとが異なるからです。
吸引ガスの流速が大きくなるときにはダスト濃度が低めに計測されますが、そのずれ幅は小さいので、+10%までの誤差なら比較的正確なダスト濃度を求めることができます。
一方、吸引ガスの流速が小さくなるときには、ダスト濃度は高めに大きくずれます。よって、-5%までの誤差でないと、正確なダスト濃度として扱うことができません。
以上のことから、(1)の「相対誤差±5%の範囲内」が誤りで、正しくは「相対誤差-5~+10%の範囲内」となります。
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